著者
土屋 久
出版者
島しょ医療研究会
雑誌
島しょ医療研究会誌
巻号頁・発行日
vol.11, pp.10-15, 2021

伊豆諸島南部地域の医療習俗について,八丈島と青ヶ島の巫俗(ふぞく:シャマニズム)を中心に考察した.神懸かりするミコ(巫女)は神役として中心的存在であり,祭祀儀礼に携わる他に各種相談に当たる役割も兼ねている.あるミコが対応した健康相談の内容を民俗病因論上類型化し,先行研究と比較した ところ多くの点で符号していた. 該当しない内容は祭文・経文の中に共通項を見出すことができた.当該地域に暮らす人々の伝統的な病気観や健康観,治療観を考察する作業は,保健医療の現場における問題を考える上で有用と思われる.

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