著者
森川 洋
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.177-188, 2020

<p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;国勢調査(2015年) を用いて,主として大都市の年齢階級別人口移動を分析した結果,東京特別区を除く5大都市もそれぞれ関係圏をもつとともに,全国の主要都市から若年人口を吸引し,東京特別区に対して人口を供給する「吸水ポンプ」の役目を果たすことが確認された.5大都市に属する横浜市,京都市,神戸市も広い関係圏をもち,比較的多くの地方都市から人口を吸引するもので,単なる衛星都市ではない.また5 大都市と広域中心都市(福岡市 ,仙台市,札幌市)は東京特別区に大量の若年人口を供給するほぼ同一階層の都市といえる.東京特別区では全国から大量の若年人口を吸引しており,その他の年齢階級人口は排出しても,人口の一極集中が是正される方向にはない.</p>

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