- 著者
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吉村 朋矩
- 出版者
- 公益社団法人 日本都市計画学会
- 雑誌
- 日本都市計画学会中部支部研究発表会論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.32, pp.35-38, 2021
本研究では、鉄道やバス等の公共交通を補完することが期待できる電動キックボードに着目し、地方都市における持続可能な地域交通としてのあり方に関する基礎的な知見を得ることを目的として、若年層を対象とした電動キックボードの走行調査および、利用意向に関するアンケート調査を実施した。電動キックボードを認知している割合は35.7%であり、電動キックボードシェアリングサービスが本格的に展開された際の利用意向は、28名全ての被験者が利用したいとしていることが分かった。電動キックボードを利用したい距離は、福井市立地適正化計画での公共交通を利用しやすい区域の考え方に基づき整理した結果、鉄道駅の徒歩圏域である800m未満の割合は78.6%、バス停の徒歩圏域である300m未満の割合は17.9%であることが明らかとなった。以上から、電動キックボードの利用は、バス停ならびに鉄道の徒歩圏域をカバーするとともに、バス停や鉄道圏域を拡大する可能性があることを示唆した。