著者
田中 さき Tung―Yuan Ho 長尾 誠也 松中 哲也 Rodrigo Mundo 井上 睦夫 谷内 由貴子 黒田 寛 熊本 雄一郎 滝川 哲太郎 守田 晶哉
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2021

<p>化石燃料やバイオマスの不完全燃焼、および原油を起源とする多環芳香族炭化水素類(PAHs)は、発癌性や変異原性をもつ有害有機物である。東アジア縁辺海と周辺海域において、PAHsの動態や生態リスクに関する研究が必要とされている。本研究は日本近海を中心とした北太平洋における広域的なPAHs水平分布を明らかにすると共に2017年以降のPAHs経年変動を解析した。各緯度帯における平均Σ14PAHs(粒子態+溶存態)は、基本的に中緯度域で高く、高緯度域で低くなる傾向を示した。沿岸海域では燃焼起源PAHsの寄与が高かったのに対し、外洋海域では原油起源PAHsの寄与が高かった。一方、2020年における日本海のΣ14PAHsは、2019年と比べ有意に低下した。塩分や海水シミュレーションの結果を基にすると、2020年における日本海のPAHs濃度減少は、黒潮系海水のPAHs濃度低下と、PAHs濃度の高い浅層海水の寄与の低下によって引き起こされた可能性が示唆された。</p>

言及状況

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日本近海表層における多環芳香族炭化水素類の水平分布と経年変動 : https://t.co/snBAUjUn4v

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