- 著者
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山﨑 賢人
柴田 史久
木村 朝子
田村 秀行
- 雑誌
- 研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
- 巻号頁・発行日
- vol.2015, no.34, pp.1-6, 2015-01-15
我々の研究グループでは,商品物流における仕分け作業への複合現実感 (MR) 技術の応用に取り組んできた.本取組みが目指すのは,いきなり仕分け作業を支援する既存の商用システムを置き換えることではなく,MR 化によるシステム設計の自由度向上や作業者が関与する他のシステムへの発展的な展開であり,まずは第 1 ステップとして,作業者への情報提示デバイスとして光学シースルー型 HMD を使用した試作システムを開発した.試作システムを評価・分析する過程で様々な問題点が顕在化したが,とりわけ,システムが提示する CG の奥行き方向の距離感が掴みにくいため,作業者が目標の商品に隣接する商品を誤って把持するという事象が頻発した.そこで本稿では,この問題を解決するために,光学シースルー型 HMD に適した注釈情報提示法を検討した結果を述べるとともに,システムの改良点についても述べる.