著者
山﨑 賢人 岡原 浩平 木村 朝子 柴田 史久
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.34-42, 2021-02-26

本論文では,視野角によって生じる死角と遮蔽物によって生じる死角を,複数視点のカメラ映像を接合することで同時に解消する画像接合手法を提案する.視野角によって生じる死角は特殊な光学系を採用する方法や複数視点からのカメラ画像を接合する方法などで解消できる.一方,遮蔽物によって生じる死角については,隠背景を観測して,遮蔽物が占める領域に投影・合成する隠消現実感技術によって解消できる.しかし,これらの死角は同時に発生しうるため,各々を個別に解決すると非効率になる可能性がある.そこで我々は,画像接合技術と隠消現実感技術に共通する考え方を整理し,両者を同時に解決する手法について検討した.その結果,画像接合のための境界線決定時に,遮蔽物を基に生成したマスク画像を用いることで,広視野画像から遮蔽物を除去した画像を生成できることを確認した.
著者
山﨑 賢人 阿倍 博信
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.11-21, 2019-02-28

実物体に注釈情報を投影するプロジェクション型ARは,新たな情報提示方法として注目を集めており,様々な分野への応用が期待されている.一方で,プロジェクタと投影対象との間に物体が存在する場合,任意の位置に注釈情報を投影できない問題がある.この問題に対し,遮蔽を考慮して注釈情報を移動させることで,ユーザの視認性を維持する注釈ビューマネジメントを開発した.本研究では,注釈ビューマネジメントを用いたプロジェクション型ARシステムを設計と評価の結果,有用性を確認したことを報告する.This paper describes design and evaluation of an annotating view management in projection-based AR system. Projection-based AR, a technology that projects annotations on the real object in real-time, catches the attention of a new displaying method and is used in various fields. On the other hand, projection-based AR has a problem that cannot project annotations on any position when there are objects between the projector and the projection target. In this study, we proposed the annotating view management by considering occlusion, and decided the layout of the annotation to solve this problem.
著者
山﨑 賢人 柴田 史久 木村 朝子 田村 秀行
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.34, pp.1-6, 2015-01-15

我々の研究グループでは,商品物流における仕分け作業への複合現実感 (MR) 技術の応用に取り組んできた.本取組みが目指すのは,いきなり仕分け作業を支援する既存の商用システムを置き換えることではなく,MR 化によるシステム設計の自由度向上や作業者が関与する他のシステムへの発展的な展開であり,まずは第 1 ステップとして,作業者への情報提示デバイスとして光学シースルー型 HMD を使用した試作システムを開発した.試作システムを評価・分析する過程で様々な問題点が顕在化したが,とりわけ,システムが提示する CG の奥行き方向の距離感が掴みにくいため,作業者が目標の商品に隣接する商品を誤って把持するという事象が頻発した.そこで本稿では,この問題を解決するために,光学シースルー型 HMD に適した注釈情報提示法を検討した結果を述べるとともに,システムの改良点についても述べる.