著者
敷田 幹文 アルニー ラティカン
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.166-175, 2017-01-15

近年,情報ネットワークの高速化,ビデオ通信の高画質化によって,遠隔地とのテレビ会議が普及してきた.遠隔会議では参加者の映像や音声は鮮明に再現されるが,議論において重要なノンバーバル情報の伝達が十分でない.特に,視線の不一致によって誰に向かって話しているか分からないことが,存在感の薄れに影響しており,遠隔参加者が他者と対等に議論することの妨げとなっている.この課題に対して,視線一致を実現するディスプレイを用いる研究では,装置が特殊で高価になる可能性がある.また,視線を代替する装置を用いる研究でも会議室側で話が盛り上がると遠隔参加者は注目されなくなる.本論文では,参加者の大半が会議室1カ所に集まり,1人だけが遠隔地から参加するテレビ会議で,遠隔参加者の存在感を伝えてソーシャルプレゼンスを実現するために,弱い光のランプを視線情報に基づいて点灯させるアウェアネス支援方式を提案する.また,被験者を用いた会議の実験で,遠隔参加者が他者と同程度に注目され,会議中のアイディア数も増加することを確認した.

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こんな論文どうですか? 人数が不均衡な遠隔テレビ会議における弱い光を用いた視線アウェアネス(敷田 幹文ほか),2017 https://t.co/We4EncMOtd 近年,情報ネットワークの高速化,ビデオ通信の高画質化によって,遠隔地とのテレビ会…

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