著者
阿部 博 敷田 幹文 篠田 陽一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.1006-1015, 2018-03-15

大規模なイベントネットワークではネットワーク管理手法の1つとしてsyslogを用いた運用監視が行われる.syslogメッセージに含まれるキーワード検知や閾値による異常検知などネットワークの異常が運用者に通知される.マルチベンダ機器によって構築される特殊なイベントネットワークでは,ログの意味解析やキーワードによる異常検知が行えない環境下であることが多い.本論文ではイベントネットワークで収集されるsyslogの総量による分析を行い異常を検知する手法を提案する.株式取引で用いられるボリンジャーバンドアルゴリズムを利用し,Interop Tokyo 2016で構築されたShowNetで収集されたsyslogの実データを用いて統計学的手法において軽量な計算による異常検出を行い,ボリンジャーバンドアルゴリズムの有効性を評価する.
著者
阿部 博 敷田 幹文
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.57-64, 2016-12-01

大規模なイベントネットワークではネットワーク管理手法の一つとして syslog を用いた運用監視が行われる.syslog メッセージに含まれるキーワード検知や閾値による異常検知などネットワークの異常が運用者に通知される.マルチベンダ機器によって構築される特殊なイベントネットワークでは,ログの意味解析やキーワードによる異常検知が行えない環境下であることが多い.本論文ではイベントネットワークで収集される syslog の総量による分析を行い異常を検知する手法を提案する.株式取引で用いられるボリンジャーバンドアルゴリズムを利用し,Interop Tokyo で構築される ShowNet で収集された syslog の実データを用いて統計学的手法において軽量な計算による異常検出を行い,ボリンジャーバンドアルゴリズムの有効性を評価する.
著者
敷田 幹文 アルニー ラティカン
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.166-175, 2017-01-15

近年,情報ネットワークの高速化,ビデオ通信の高画質化によって,遠隔地とのテレビ会議が普及してきた.遠隔会議では参加者の映像や音声は鮮明に再現されるが,議論において重要なノンバーバル情報の伝達が十分でない.特に,視線の不一致によって誰に向かって話しているか分からないことが,存在感の薄れに影響しており,遠隔参加者が他者と対等に議論することの妨げとなっている.この課題に対して,視線一致を実現するディスプレイを用いる研究では,装置が特殊で高価になる可能性がある.また,視線を代替する装置を用いる研究でも会議室側で話が盛り上がると遠隔参加者は注目されなくなる.本論文では,参加者の大半が会議室1カ所に集まり,1人だけが遠隔地から参加するテレビ会議で,遠隔参加者の存在感を伝えてソーシャルプレゼンスを実現するために,弱い光のランプを視線情報に基づいて点灯させるアウェアネス支援方式を提案する.また,被験者を用いた会議の実験で,遠隔参加者が他者と同程度に注目され,会議中のアイディア数も増加することを確認した.
著者
藤原 晴 敷田 幹文
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.5, pp.1-6, 2020-08-27

昨今の社会情勢によりビデオ会議ツールの需要が増加し会社の会議や学校の授業などで利用されている.そんななか急速なビデオ会議の導入に伴い,ネットワーク環境の整っていない利用者がパケットロス等によって円滑なビデオ会議ツールの利用が困難になる.また,ビデオ会議ツールには数多くの種類が存在し帯域要件も示されているが提供元の違いにより指標が統一されていないという課題がある.そこで,本研究ではZoom,Webex,Google Meet のトラフィック量を機能とデータの送受信条件ごとに分析し比較を行うことで各ツールのトラフィック制御傾向の特徴を示した.加えて,帯域制限を行った際の音声データを聞き取り可能であるか調査を行うことで,大規模なツール利用においての各ツールの有用性とデータ処理の違いを示した.
著者
坂下 幸徳 東条 敏 敷田 幹文
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.767-776, 2015-03-15

データセンタの管理者を支援する研究として障害発生時に障害原因を特定する障害原因解析技術が登場してきている.この障害原因解析技術を使うためにはサーバ,ストレージ,スイッチなどの構成情報が必要となるが,近年,大規模化,複雑化,さらにはクラウド化が進むデータセンタでは,構成情報の取得が困難になり,適用範囲が狭くなってきている.そこで,本論文では,サーバ,ストレージ,スイッチなどの機器が出力するログファイルを使い,統計的推論方式で構成情報を推定する方式を提案する.統計的推論方式としては,代表的な方式である隠れマルコフモデルとベイズ推定を用いる.これにより,障害原因解析技術の適用範囲を拡大を狙う.本提案方式の試作システムによる実験の結果,最大83%の正解率による構成情報の推定に成功した.
著者
敷田 幹文 門脇 千恵 國藤 進
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.2731-2741, 2000-10-15
被引用文献数
13

組織において,ワークプロセスで発生するインフォーマルな情報には,共有する重要性の高いノウハウ的な情報も含まれる.従来はこれらの情報をワークプロセスとは切り離して蓄積し,キーワードによる検索などの手段によって参照者に提供してきた.しかし,蓄積情報を検索するための適当な条件が指定できなければ,参照ニーズに最も適する情報が得られない,他の情報が優先して提示されてしまう,という場合を生じる.このような背景には,提供者が検索条件を提供情報に付加する際,その情報に付随するコンテクストを反映したキーワードなどを選択し付加しているにもかかわらず,参照者にはこのコンテクストが類推し難いという問題がある.上記の課題に対し,本研究では,情報提供時のコンテクストを参照者に連動させるために,ワークプロセスに連携した情報共有手法を提案する.さらに,共有される情報の重要度は様々であるが,参照対象者が多く再利用可能性の高い情報ほど,組織の知識資産として利用価値が高いと考える.そこで,定型化がなされて,再施行頻度の高いワークプロセスであるワークフローに着目し,フローに関連して発生するインフォーマル情報を対象に議論を行う.The informal information that is generated through the group work process also includes knowhow. In the conventional approach, this type of information in condition to separate from the work process, was stored and retrieved using keywords. However, if a referencing user was unable to input the appropriate keyword for retrieving, he might be unable to obtain the information most suitable to his needs, or other information might take precedence when being called up for display.In the background of this situation, it lies the following problem: despite the fact that the keywords selected and assigned by the providing user reflect the context, it may be difficult for the referencing user to find out this context by analogy.To cope with the above issues we propose an information sharing method to link the referencing user with the context at the time the information is provided. Furthermore, we believe that information that is reused by many users, has a higher usage value as ``knowledge assets'' in an organization. With this in mind, we focus on the workflow (a fixed-form work process with a high frequency of repetition) and informal information that arises on this flow.
著者
内田 達人 敷田 幹文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.31, pp.133-138, 2008-03-21

インフォーマルコミュニケーションの重要性は広く認識されているが,コミュニケーションの場の分散化によりその機会は減少している.この流れを受け,状況情報を用いたコミュニケーション支援が分散環境下において数多く行われており,その支援効果が確認されている.しかし,これらの支援方式はコミュニケーション全体を支援対象としているため,支援効果をあげることによりインフォーマルコミュニケーションの機会が減少しかねない問題を持つ.この問題に対して,本稿では2種類の状況情報を使用することにより,受信側がインフォーマルなメッセージを受け入れられるタイミングを算出しメッセージの通知を行う.これにより,ユーザ間にストレスを与えることなく,分散環境下におけるインフォーマルコミュニケーションの活性化を実現する.The importance of informal communications is widely recognized. However, the chance decreases because the communication space decentralized. There are a lot of communication supports that uses context information for this problem. And, the effect of those supports is confirmed. These supports target all communications. Therefore, the chance of informal communications might be decreased. In this paper, we use two kinds of context information to solve this problem. And, we calculate timing to be able to accept an informal message by using these contexts. This method notifies an informal message according to the timing. So, this method decreases the stress between users. And, this method activates informal communications of the distributed surrounding.