- 著者
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山内 利宏
福島 有輝
乃村 能成
谷口 秀夫
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.12, pp.2279-2290, 2019-12-15
サービスを提供する応用プログラム(AP)の処理内容に合わせ効率的に実行するには,そのサービスに適した独自のオペレーティングシステム(OS)が有効である.しかし,独自OS機能をサービス提供に特化させるために,多数のドライバや高機能なOS機能を開発する工数は大きい.このため,既存OSのドライバ機能やファイル管理機能を利用できるようにし,利用に必要なOSの入出力操作の機能を実現する工数を最小化することが望まれる.そこで,本論文では,マルチコアプロセッサを利用して,独自OSと既存OSを独立に走行させ,既存OSの入出力操作の機能を独自OSが利用する手法の実現方式について述べる.具体的には,独自OSでありマイクロカーネル構造を持つAnTオペレーティングシステム(AnT)と既存OSのLinuxを共存して走行させ,AnT上のAPからLinuxの入出力操作の機能を利用する手法を述べる.また,提案手法の実現方式と処理構造を述べ,工数とLinux入出力操作の機能利用の性能を明らかにする.