著者
清田 雅史 馬場 徳寿
出版者
遠洋水産研究所
雑誌
遠洋水産研究所研究報告 (ISSN:03867285)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.13-20, 2001-03

1991年から1999年の間米国アラスカ州セントポール島において,成獣雌キタオットセイの海洋廃棄物絡まりに関する調査を実施した。繁殖初期の7月初旬から8月初旬にかけて,繁殖コロニーにおいて異物絡まり雌と非絡まり雌の計数と絡まり異物の確認を行い,海岸に漂着した海洋廃棄物の種類と量を調べた。成獣雌キタオットセイの絡まり率は1991年と1994年に若干高かったが,1995年以降は0.01%前後で推移した。この9年間における成獣雌の平均絡まり率は0.013%,絡まりに由来する傷をもつ成獣雌の割合は0.029%であった。絡まり異物は,トロール魚網片,刺網片,ひも類,梱包用ポリプロピレンバンド,洗濯洗剤容器のプラスチック枠などで,そのうちトロール魚網片が最も多く49%を占めた。海岸漂着物では,近年トロール魚網片と梱包用ポリプロピレンバンドの割合が低下する一方ロープ類が増加しており,繁殖島周辺における漁業の動向に関連した組成変化が見られた。

言及状況

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アラスカ州セントポール島におけるキタオットセイ成獣雌の海洋廃棄物絡まり,1991-1999年 https://t.co/BB9DlaRPP3

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