著者
桑田 主税 成川 昇
出版者
千葉県農業試験場
雑誌
千葉県農業試験場研究報告 (ISSN:05776880)
巻号頁・発行日
no.42, pp.23-30, 2001-03

難抽台性の坊主不知ネギにおいて効率的に交雑育種を行うために、低温短日処理および肥料切り処理が坊主不知ネギの抽台誘起に及ぼす影響について検討した。低温処理は10.5cmポットに鉢上げした株を日長8時間で温度制御した人工気象室に処理温度、期間、時期を変えて搬入し、また、肥料切り処理は鉢土の肥料の有無により実施した。 1.最も抽台が促進された条件は、供試3系統ともに温度較差の激しい明期25℃/暗期2℃区であり、抽台株率は最高で「夏婦人」が80%、「向小金」が47%、「藤心晩生」が53%となった。 2.「向小金」は、同一の温度処理下において肥料切りにより抽台株率は高まり、肥料感受性が高い系統であった。 3.明期5℃/暗期0℃および明期8℃/暗期2℃の極端な低温や120日間の長期間の低温処理では、抽台は促進されず、坊主不知ネギの花成には極端な低温を要求しないことが示された。

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