著者
水野 真二 成川 昇 近藤 春美 上吉原 裕亮 立石 亮 窪田 聡 新町 文絵 渡辺 慶一
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.109-115, 2021 (Released:2021-03-31)
参考文献数
12

アントシアニン色素を多く含み,果実が濃赤色を呈する促成栽培用イチゴ品種 ‘真紅の美鈴’ を育成した.神奈川県における試験栽培において,本品種は ‘とちおとめ’ より花芽分化がやや遅く,定植適期は9月20日頃以降であると考えられた.果実の硬度は ‘とちおとめ’ 並みに高く,糖酸比は20を超え,還元糖のグルコースとフルクトースを比較的多く含んでいた.果実のアントシアニン色素の含量は新鮮重1 g当たり185 μgであり,母親の ‘ふさの香’ および父親の ‘麗紅’ の約2倍,‘とちおとめ’ の約3倍であった.一方,果汁の抗酸化活性には‘真紅の美鈴’と従来品種で大きな差はみられず,アントシアニンの抗酸化活性への寄与度は低いと推定された.アントシアニンの組成はペラルゴニジン配糖体が80%以上を占めており,検出された5成分の構成比は ‘とちおとめ’ や親品種と概ね同等であった.このことから,‘真紅の美鈴’ が濃赤色を呈するのはアントシアニン組成の影響ではなく,色素の含量が顕著に多いためと考えられた.
著者
成川 昇 山本 節雄 吾妻 重典 佐々木 則夫 山本 孝志 才所 敏明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1141-1142, 1988-09-12

原子力発電プラントの配管配置設計は、その規模、複雑さおよび設計に対する厳しい要求から熟練した多数の設計者と多大なる設計時間を必要としていた。本システムは知識工学的手法を用いて、自動的に初期の配管配置を行なうものであり、図1に示したように3つのステップから構成されている。前報では、Aスターアルゴリズムを用いた通過部屋列の決定手法、格子展開法によるルーティング手法(ステップ1、2)について説明した。本報では、仮説型推論によるルーティング手法および配管配置調整法(ステップ2、3)について述べる。
著者
桑田 主税 成川 昇
出版者
千葉県農業試験場
雑誌
千葉県農業試験場研究報告 (ISSN:05776880)
巻号頁・発行日
no.42, pp.23-30, 2001-03

難抽台性の坊主不知ネギにおいて効率的に交雑育種を行うために、低温短日処理および肥料切り処理が坊主不知ネギの抽台誘起に及ぼす影響について検討した。低温処理は10.5cmポットに鉢上げした株を日長8時間で温度制御した人工気象室に処理温度、期間、時期を変えて搬入し、また、肥料切り処理は鉢土の肥料の有無により実施した。 1.最も抽台が促進された条件は、供試3系統ともに温度較差の激しい明期25℃/暗期2℃区であり、抽台株率は最高で「夏婦人」が80%、「向小金」が47%、「藤心晩生」が53%となった。 2.「向小金」は、同一の温度処理下において肥料切りにより抽台株率は高まり、肥料感受性が高い系統であった。 3.明期5℃/暗期0℃および明期8℃/暗期2℃の極端な低温や120日間の長期間の低温処理では、抽台は促進されず、坊主不知ネギの花成には極端な低温を要求しないことが示された。