著者
井邊 時雄 赤間 芳洋 堀末 登
出版者
農林水産省農業研究センター
雑誌
農業研究センター研究報告 (ISSN:02893207)
巻号頁・発行日
no.34, pp.37-48, 2001-02
被引用文献数
3

農業研究センターにおいて,ヒノヒカリ/稲系517の交配組合せの後代より育成された関東188号は,水稲農林366号として登録され,ミレニシキと命名された.この品種の特徴は以下のとおりである. 1.出穂期は朝の光並であり,「中生の早」に属する.稈長はやや短く,一穂粒数の多い穂重型の草型を持つ.強稈で耐倒伏性は強いが,湛水直播栽培での耐転び型倒伏性は中程度である. 2.葉いもち,穂いもちに対する圃場抵抗性は強い.白葉枯病抵抗性は「やや強」である.縞葉枯病抵抗性は持たない. 3.収量性が高く,標準品種より10%程度多収である.また,ほとんどの試験地,栽培様式において標準品種の収量を上回り安定して多収である.直播栽培での収量は,移植栽培での標準品種の収量並である. 4.食味は日本晴に優るが,キヌヒカリにおよばず,「上下」と評価される.玄米の外観品質はやや劣るが,直播栽培では「中中」である. 5.以上の多収性,直播適性,いもち病抵抗性などの特性から,ミレニシキは低コスト栽培に適した新しい品種である.

言及状況

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編集者: 古峰
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