著者
古谷 博
出版者
広島県立農業技術センター
雑誌
広島県立農業技術センタ-研究報告 (ISSN:09184848)
巻号頁・発行日
no.69, pp.55-62, 2001-10

秋ギク'秀芳の力'の茎頂から大量増殖した培養苗(多芽体増殖苗)の養成法と切り花栽培用母株としての実用性について検討した。1.多芽体増殖苗は、順化が容易で、順化後プランター等の容器で養成すれば翌年の秋には順化苗当たり3.6本の冬至芽が得られる。2.多芽体増殖苗から採取した挿し穂を供試し、季咲き栽培、年末電照栽培およびその二度切り栽培の作型で切り花栽培を行った結果、形態的、生態的(日長反応など)変異は認められず従来の茎頂培養苗の挿し穂と同様に生育開花し、生産上の問題点は認められなかった。3.多芽体増殖苗は、切り花栽培での培養変異の発生はみられず生育が揃い旺盛となることから、多芽体誘導による大量増殖法は優良系統を早急に普及する手法として利用できる。

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