著者
山口 敦史
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-8, 2003

『日本霊異記』に登場する〈女性像〉を取り上げ、そこに見られる各種の〈女性〉が、背景とする思想・宗教や歴史性によって、いかに異なって把握されるかを考察する。一説話の〈女性像〉についても、それを〈母性〉-子を慈しむ存在-と把握するか、〈女人〉-罪深く性欲が盛ん-と把握するかで、説話の読みに変化が生じる。これらの〈女性像〉は、漢訳仏典の価値観に根ざすもので、『日本霊異記』にもそれが踏襲されている。

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