著者
小倉 信夫
出版者
Japanese Nematological Society
雑誌
Japanese journal of nematology (ISSN:09196765)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.99-102, 2004-12

培養条件下でのマツノザイセンチュウ(センチュウと略す)の増殖に対する殺虫剤(アセフェート(オルトランR)、クロルピリホスメチル(レルダンR)、フェニトロチオン(スミチオンR)、マラチオン(マラソンR)、ピリミホスメチル(アクテリックR)、ピリダフェンチオン(オフナックR))、殺ダニ剤(デコフォル(ケルセンR))の抑制効果を調べた。クロルピリホスメチル、フェニトロチオン、ピリミホスメチル、ピリダフェンチオンは培養条件下でセンチュウの増殖を抑制した。これらの殺虫剤のセンチュウ増殖を抑制する濃度は、それぞれ0.09、0.45、0.62および<0.25ppm以上と推算された。マツ樹幹注入剤メスルフェンホス(ネマノーンR)と酒石酸モランテルナトリウム塩はそれぞれ1.28および3.58ppm以上の濃度で同様の効果を示すと推算された。クロルピリホスメチル、フェニトロチオンおよびピリダフェンチオンはマツノザイセンチュウの媒介昆虫であるマツノマダラカミキリに対する予防散布薬の成分でもある。このような一致は興味深い。

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