著者
住田 弘一 加藤 直人 西田 瑞彦
出版者
東北農業研究センター
雑誌
東北農業研究センター研究報告 (ISSN:13473379)
巻号頁・発行日
no.103, pp.39-52, 2005-03
被引用文献数
10

田畑輪換を繰り返しつつ、持続的に作物を安定生産できるかどうかは、水田輪作営農を推進していく上で政策的にも極めて重要な問題であり、長期的視点から作物生産力を評価する必要がある。そこで、有機質資材の投入管理を組み合わせた長期的な畑転換や田畑輪換を繰り返したほ場において、土壌肥沃度や転作大豆及び復元田水稲の生産力の変化を調べた。寒冷地において、水稲と大豆による田畑輪換を畑期間が過半を占める体系で10年以上繰り返すと、土壌の可給態窒素が大きく減耗する。この可給態窒素の減耗は、畑期間が1-2年の田畑輪換の場合には、600gk/10aの稲わらを毎年投入することにより軽減される。しかし、畑期間が過半を占める場合には稲わら施用の効果がみられない。長期にわたり大豆を連作すると、田畑輪換の場合より可給態窒素の減耗が激しく、稲わら堆肥を2トン/10a連用しても、連年水田の堆肥無施用の場合を大きく下回る。このような可給態窒素の減耗に伴って、田畑輪換の繰り返しや長期畑転換における大豆の収量は、十分な水田期間を確保した輪換畑に比べ10-20%減収する。一方、復元田の水稲は、田畑輪換の繰り返しや長期畑転換を経ても、連年水田に比べて増収する。

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