著者
田宮 誠司 森 一幸 草原 典夫
出版者
長崎県総合農林試験場
雑誌
長崎県総合農林試験場研究報告 農業部門 (ISSN:03888398)
巻号頁・発行日
no.34, pp.91-115, 2008-03

「西海31号」は、アントシアニンを含み、肉色が赤色で、利用適性の高い品種の育成を目標として1999年秋に、高でん粉の「96016-8」を母、赤皮・赤肉で大いもの「長系115号」を父として交配し、交配種子を得た。2000年春作から交配種子を播種し選抜を開始し、2003年春作で「長系118号」の系統名で、収量性、病虫害抵抗性、系統適応性について検討し、2003年秋作から「西海31号」の地方番号を付し、さらに特性調査、加工試験などを実施し、その結果、2006年に品種登録の出願を行った。出芽期は春作・秋作とも「デジマ」より早く、初期生育も「デジマ」より早い。茎葉の黄変時期は春作・秋作ともに「デジマ」よりも早い。上いも数は春作・秋作ともに「デジマ」よりも多く、平均1個重は「デジマ」よりも小さい。上いも重は春作で「デジマ」の87%程度、秋作で72%と少ない。でん粉価は春作・秋作とも「デジマ」よりも高い。塊茎の皮色は赤、形は楕円〜長楕円で揃いが良い、目が浅く、生理障害が少ないため、外観が良い。肉色は淡赤で、赤い色が均一に分布する。蒸しいもの肉質は中〜やや粉で食味は中である。ポテトチップやフライドポテトなどの油加工に適する。

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こんな論文どうですか? 赤肉バレイショ新品種「西海31号」(田宮 誠司ほか),2008 https://t.co/hZvDtrj01l 「西海31号」は、アントシアニンを含み、肉色が赤色で、利用適性…

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