著者
小林 宏康
出版者
農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所
雑誌
農村工学研究所技報 (ISSN:18823289)
巻号頁・発行日
no.208, pp.1-13, 2008-03

平成19年3月25日9時42分頃に、能登半島西岸付近の深さ約11kmを震源とするマグニチュード6.9の地震が発生し、さらに、平成19年7月16日10時13分頃に、新潟県上中越沖(新潟の南西約60km)の深さ約17kmを震源とするマグニチュード6.8の地震が発生した。気象庁は、この2つの地震を各々平成19年(2007年)能登半島地震、平成19年(2007年)新潟県中越沖地震と命名した。これらの地震によって、建物、道路、港湾等の施設に加え、農地やため池等の数多くの農業用施設が被災した。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)は災害対策基本法第2条第5号に基づく指定公共機関であり、農研機構防災業務計画の第1章第3節は、農研機構では農村工学研究所(以下、農工研)が中心となって「防災に関する試験及び研究並びに調査を推進するとともに、関係機関が実施する災害対策の技術支援を行う」と規定している。本報では、能登半島地震災害及び新潟県中越沖地震災害に対する当所の技術支援の実績と方法を概説するとともに、農工研が実施している地震関連研究の実施状況を報告する。

言及状況

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