著者
浪平 篤 後藤 眞宏 小林 宏康
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1189-1194, 2008 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

There is the case to have to make the slope of the fishway steeper than the standard range, according to the geographical features condition. In this research, measurement of flow structure and observation of swimming behavior of Leuciscus hakonensis at the hydraulic model of the pool and weir type fishway with slope 1/5 were conducted. Main results are shown as follows; 1) Ascending rate of this species in TYPE C which has short pools in flowing direction is higher than in TYPE B which has big steps between each pools when the overflow depth equals 5-10 cm, ascending rate of this species over 9-10 cm in TYPE B is higher than in TYPE C when the overflow depth equals 15-20 cm. 2) The difference of flow structure doesn't necessarily greatly influence ascending rate of this species. 3) About this species, it is necessary to select TYPE B or C corresponding to the assumed range of the overflow depth.
著者
小林 宏康 岡本 佳久 筒井 義冨
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.208, pp.469-475,a1, 2000-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
8

流水音の心理イメージ空間を構成する主要な評価軸とその音響因子を明らかにするため、10種類の流水音を84名の被験者に聞かせて評価させる官能検査と流水音の音響解析を行った。その結果、(1) 流水音の心理イメージ構造は、静動性と旋律性という2つの音響評価軸によって構成された心理イメージ空間で表現できること、(2) 静動性の音響因子はサウンドレベルであり、旋律性の音響因子はスペクトル包絡であること、(3) 周波数帯域の中で、500Hz~4kHzの音圧レベルが100Hz~300Hzの音圧レベルと比較して強調された流水音は、高音性の流れとして認知されること、等を明らかにした。
著者
高木 強治 小林 宏康 浪平 篤
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.226, pp.531-542, 2003-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
15

遺構「鼻ぐり井手」は, 加藤清正が新田開発のため, 慶長13年 (旦608年) に開削した延長390mの用水路である.鼻ぐり井手では, ヨナと呼ばれる阿蘇火山灰が水路底に堆積しないよう, 底部に穿孔を有する隔壁を一定の間隔で残したまま水路を開削し, 土砂の掃流力を高めたといい伝えられている.本研究では, 鼻ぐり井手の現況および過去に存在したと考えられる隔壁を模型に再現し, 水理実験によってそれらの通水機能, 掃砂機能および流れの構造を明らかにした.その結果, 鼻ぐり井手では, 連続する隔壁を通過する流れが常に噴流状態にあり, 掃砂機能が通常の開水路より格段に強化されていること, さらにこの掃砂機能に係わる流速の増加が穿孔面積を縮めることによってもたらされ, 掃砂機能と通水機能がトレードオフの関係になっていることを明らかにした.
著者
小林 宏康
出版者
農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所
雑誌
農村工学研究所技報 (ISSN:18823289)
巻号頁・発行日
no.208, pp.1-13, 2008-03

平成19年3月25日9時42分頃に、能登半島西岸付近の深さ約11kmを震源とするマグニチュード6.9の地震が発生し、さらに、平成19年7月16日10時13分頃に、新潟県上中越沖(新潟の南西約60km)の深さ約17kmを震源とするマグニチュード6.8の地震が発生した。気象庁は、この2つの地震を各々平成19年(2007年)能登半島地震、平成19年(2007年)新潟県中越沖地震と命名した。これらの地震によって、建物、道路、港湾等の施設に加え、農地やため池等の数多くの農業用施設が被災した。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)は災害対策基本法第2条第5号に基づく指定公共機関であり、農研機構防災業務計画の第1章第3節は、農研機構では農村工学研究所(以下、農工研)が中心となって「防災に関する試験及び研究並びに調査を推進するとともに、関係機関が実施する災害対策の技術支援を行う」と規定している。本報では、能登半島地震災害及び新潟県中越沖地震災害に対する当所の技術支援の実績と方法を概説するとともに、農工研が実施している地震関連研究の実施状況を報告する。