著者
久保寺 秀夫
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.83, no.10, pp.1091-1096, 2008-10

マージ土壌は南西諸島に分布する土壌で、堆積岩や礫層を母材とする酸性の赤色土や黄色土の国頭マージと、石灰岩上で生成する弱酸性〜アルカリ性の暗赤色土の島尻マージからなる。マージ土壌は沖縄本島では全農耕地の72%を占める重要な土壌だが、全般的に物理性が不良で、保水性の低さや下層土の緻密性(島尻マージ)、排水不良や受食性(国頭マージ)などが営農上問題となる。その問題の一つに、土壌が乾燥した際に強く硬化して砕けにくい土塊となり、耕耘砕土の障害となることがあげられる。このように物理性が不良な土壌の改良方法として、一般に、堆肥など有機物資材の施用が有効な方法とされる。有機物資材の施用は土壌の団粒化を促進し、膨軟化、通気性・保水性・排水性の向上を促す作用があり、その効果は多くの試験により実証されてきた。一方、有機物の施用により、土壌の過乾、過湿、排水不良など物理性の悪化が生じる例も報告されている。物理性がもともと良くないマージ土壌に有機物を施用する場合、物理性のさらなる悪化が生じないよう、施用が土壌の物理性に及ぼす影響を詳細に把握し、適正な施用を行うべきである。本稿では、有機物資材の施用がマージ土壌の乾燥時の硬化に及ぼす影響について、久保寺(2007)を元に紹介する。

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