著者
瀬川 裕司
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
no.444, pp.19-31, 2009-03

ダニエル・ケールマン『僕とカミンスキー』(Daniel Kehlmann:lch undKaminski.Suhrkamp Verlag,Frankfurt am Main)は、2003年にドイツで出版されるとただちに新聞雑誌で好意的に紹介され、ベストセラー・リスト上位に躍り出た。ドイツでもっとも有名な文芸評論家、毒舌で知られるマルセル・ライヒ=ラニッキがZDFの「Lesen!」で「私はケールマンを絶対的に推薦する。素晴らしい知性、観察の才能、それに何という台詞の多彩さだろうか!」と賞賛し、マルティン・クールボルトが「フランクフルター・ルントシャウ」で「近年のドイツ小説で、これほど笑える作品は絶えて久しかった」と評したのをはじめ、圧倒的な賛辞に包まれた同作品は、これまでにドイツ国内で18万部の売り上げを記録しているだけでなく、26ヶ国語に翻訳され、若き才能としてのダニエル・ケールマンの名を世界に知らしめた記念碑的作品である。

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こんな論文どうですか? ふたりのエゴイストの戦い--ダニエル・ケールマン『僕とカミンスキー』をめぐって(瀬川 裕司),2009 https://t.co/gXEnUXq2Xb

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