著者
阿部 亮
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.277-280, 2010-02

飼料構造論。飼料米。日本は「瑞穂の国」である。瑞穂とは、みずみずしい稲の穂を表現する言葉であり、日本の美称として、「瑞穂の国」という冠を頭上に載せてきた。瑞穂の国の歴史は、米をめぐるさまざまな社会の出来事の系譜でもある。五公五民という米で支払う重税の負荷と農民の呻吟、田畑永代売買の禁令、飢餓と打ち壊し、米価暴騰と買い占め、そして打ち壊し、第二次世界大戦後の食糧難等々、米は日本人の生活の中で重たい地位を占め、白米は、日本の長い歴史の中では、神聖な存在ですらあった。「米を家畜(畜生)に、とんでもない、罷り成らぬ」という心情は、つい、この前まではあった。しかし今、米(稲)と畜産の連携が、「瑞穂の国」の新たな形として推進され始めている。

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