- 著者
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福本 昌人
吉迫 宏
小川 茂男
- 出版者
- 農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所
- 雑誌
- 農村工学研究所技報 (ISSN:18823289)
- 巻号頁・発行日
- no.210, pp.307-317, 2010-03
- 被引用文献数
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農林水産省は、耕作放棄地の解消を図るため、耕作放棄地全体調査と呼ばれる現地調査を市町村・農業委員会を通じて2008年度に全国規模で実施した。この調査は、市町村全域のすべての農地を踏査し、耕作放棄地の位置と状況を一筆毎に把握するものである。この調査で「農地」と判断された耕作放棄地は営農再開や保全管理(草刈り、耕起等)が求められ、その実施を確認する追跡調査が行われることになっている。しかし、その実施が確認されても、その後再び耕作放棄地になる可能性がある。また、2008年度には耕作放棄地でなかった農地が新たに耕作放棄地になる可能性もある。このため将来、再度、現地調査を行う必要が生じると考えられる。しかし、現地調査は多大な労力を要し、容易には実施できないため、現地調査の省力化が喫緊の課題となっている。本研究では、上記の調査で取得したADS40によるオルソ画像を用いて耕作放棄田等の目視判読性を雑草タイプ等の面から詳細に検討し、航空撮影画像を用いた耕作放棄田の調査手法を事例的に提案する。なお、耕作放棄地の現地調査のためだけに航空撮影を行うことはコスト的に難しいが、別途、水土里情報利活用促進事業等により、地理情報システム(GIS)データの整備・更新のために最新のオルソ画像が作成されていれば、そのオルソ画像を現地調査に利用することができる。また、ここでは目視判読はパソコンのディスプレイにオルソ画像を表示して行うが、オルソ画像のプリントも現地調査において有用であることから、そのオルソ画像プリントの活用についても述べる。