- 著者
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冨田 健太郎
- 出版者
- 養賢堂
- 雑誌
- 畜産の研究 (ISSN:00093874)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.10, pp.1033-1042, 2010-10
中米力リブ諸国におけるマメ科牧草アラキスの活用事例。コスタリカにおける乳用子牛の成育にとってのタンパク銀行としてのアラキスおよび文献調査からの野外科学的方法の一考察。コスタリカでは、乳用牛の子牛肥育にかかるコストは牧畜経営支出の25%にも相当し、とくに、配合飼料のコストはバカにならず、全餌代の約66%にも達するという。これら配合飼料のほとんどが輸入一次産品であることから、外部からの投入資材に依存せざるを得ないということであり、実際の牧畜生産システムにおいては一つの限界要因となっているのである。そのため、生産者水準において、餌代を極カ抑えることが要求されるのは当然である。そこで、アラキスのような適用可能かつ高品質牧草類が、熱帯環境下の牧畜生産にとっては有益であるとして考慮されている。また、イネ科牧草類とこのマメ科牧草類の間混作は、牧畜生産にとって良好な挙動が認められ、肉ならびに乳生産にとっても適当な水準にまで増大させていることは明白である。