- 著者
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冨田 健太郎
- 出版者
- 養賢堂
- 雑誌
- 畜産の研究 (ISSN:00093874)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.11, pp.1137-1143, 2010-11
中米・力リブ諸国におけるマメ科牧草アラキスの活用事例。コスタリカにおけるアラキス+ブラキアリア間混作の効果および乳牛圃場でのアラキス確立について。コスタリカは、パナマのサバンナ地帯、コロンビアのジャノス東方平原およびブラジルのセラード地帯のように、広大な草原地帯を有しているのとは違って、中央山脈の高地において主にアラキスの研究が実践されている。前記した広大な平原地帯では肉牛の肉生産性を高めることが主目的であるが、ここコスタリカでは乳生産が主目的である。いずれにしても、タンパク生産が重要な課題であることは共通事項である。アラキスの有効性は理解できても、肝心な事項は牧草地においてこれを確立させることであろう。このことは、牧畜に関する技術協力に従事する者にとっても必須事項であり、多くの経験者の声を聞くこと、そして理解することが重要であると筆者は考えている。もちろん、良いことばかりではなく、そこには、他のイネ科植物や雑草類の侵入によるアラキスの妨害も存在するということで、無視できない要因である。本稿では、その一事例と同時にアラキス確立に関する有益な方法を紹介する。