著者
木谷 佳楠
出版者
同志社大学
雑誌
基督教研究 (ISSN:03873080)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.105-124, 2012-06

映画が誕生して約120年の間に、イエスは「救い主」としてのイエス・キリスト、あるいは「ナザレのイエス」として、繰り返しスクリーンの中に登場し、その数は100本以上にものぼるが、一方で、アメリカ映画の中のイエス像は時代の移り変わりと共に常にその姿を変えてきたのである。あるときには絵画や聖書の挿絵で描かれてきたそのままの姿で登場し、またあるときには顔が映らないほど遠くから撮影されたり、後ろ姿のみで表現されたりした。また、あるときには「救い主」としてのイエスよりも俗世的な葛藤や弱さを持つ人間的なイエスが登場する。本稿はアメリカ映画におけるイエス像が時代と共にどのような変遷を遂げてきたのか、そしてそれはなぜなのか、という問いに対し、アメリカの社会状況や映画産業界における検閲の問題を軸にしつつ、一定の答えを模索するものである。

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木谷佳楠「アメリカ映画におけるイエス像の時代的変遷」:同志社大学神学部基督教研究会『基督教研究』第74巻第1号 http://t.co/k3uWqT2i #CiNii 聖書やキリスト教迫害をテーマにすることでエロ描写検閲を逃れた時代もあった(泰西名画の様だ)とか、なかなか面白い。

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