著者
村上 京子
出版者
名古屋大学留学生センター
雑誌
名古屋大学留学生センター紀要 (ISSN:13486616)
巻号頁・発行日
no.10, pp.13-22, 2012

日本の工場で働く日系ブラジル人など就労外国人には,在日期間が10年以上と長くなっても日本語の読み書きがほとんどできない人も多い。しかし,従来の日本語能力を測る試験は日本語によって出題されるため,質問文が読めない人は受験することができなかった。そこで,就労外国人が母語で受けられるように多言語で,また生活に密着した内容による日本語の読み書き能力判定試験問題を作成し,工場などで実施した。その結果,問題数が少ないにもかかわらず,信頼性は十分な水準にあることが確認された。また,マニュアルが整備されているため,テスターによる判定のゆれはほとんど見られなかった。判定結果は,工場内などの日本語教室でプレイスメント・テストとして活用されている。今後,外国人を雇っている企業や商工会議所,ハローワークなどとも連携し,処遇や就職の際の参考資料として活用していけるように拡充・普及を図っていきたい。

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こんな論文どうですか? 就労外国人のための読み書き判定試験の開発(村上 京子),2012 https://t.co/DVX9atTsxA 日本の工場で働く日系ブラジル人など就労外国人には,在日期間が10年以上と長くなっても日本語の読み書きがほとんどで…

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