著者
西川 清
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF PEDIATRIC ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.60-68, 1988
被引用文献数
6 6

これまであらゆる治療法を駆使しても, コントロールの困難であった成人を含む重症・難治群が, 電動ネブライザーを使用したDSCG+salbutamol 吸入の regular use (DSCG 2ml+salbutamol 0.25~1mg 1日2回) により最長8ヵ月, ほぼ全例に著明な臨床症状および日常生活の改善をみた. regular use 施行前3ヵ月と施行後3ヵ月の臨床症状を比較すると, 発作点数は難治群で71.7から17.4に, 重症群で22.8から10.2に減少した. 救急外来受診回数は, 7名の外来難治群で27.3回 (3~44回) から1.1回 (0~3回) に, 12名の重症群では12.3回 (0~38回) から3.1回 (0~13回) に減少した. また難治群の副腎皮質ホルモン使用量は Prednisolone 換算で460.7mg (150~945mg) から74.2mg (0~415mg) へと減量できた. 学校・仕事の欠席日数は, 難治群で14.1日から0.6日に, 重症群で11.1日から2.0日に減少した. 著明な臨床症状の改善をみた症例, 家族とも, 心理的にも大幅な改善を示した.<br>DSCG+β<sub>2</sub> agonist の regular use は, 気管支拡張持続作用と気道炎症の抑制作用により発作を予防するだけでなく, これまで困難であった難治群の0レベルを実現し, 気道過敏性に影響を与え, 寛解に導き得る治療法となる可能性を示唆した.

言及状況

外部データベース (DOI)

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こんな論文どうですか? 重症, 難治性喘息群に対する Disodium Cromoglycate (DSCG)+Salbutamol 吸入液の regular use の効果について(西川清),1988 http://id.CiNii.jp/LpixF

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