出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.121-126, 1994-11

大分県は1970年に策定した「大分県基本計画」の中で資源管理型漁業の到来を想定して「海洋牧場的漁業への移行ー管理漁場の必要性」を説いているが、1973年には、水産庁の補助事業である瀬戸内海栽培漁業魚類放流技術開発調査で、マダイを対象に大分県南部の米水津湾で資源管理型漁場の造成試験をはじめている。この事業の中でナーサリーにおける中間育成方式に音響を利用した給餌方式を導入しているが、1979年に入って中間育成での音響馴致が順調に進んだため、種苗放流後のマダイ漁場で音響・給餌をすることにより特定の海域にマダイを滞留させ、漁獲まで発展させることができないかという海洋牧場的構想が浮かびあがってきた。そこで、米水津湾の入口に円盤型の給餌ブイを設置し、放流後のマダイを放音・給餌する実験を開始した。一方、大分県は1981年に県南地域の振興を図るために水産業を中核としたマリノポリス計画を策定して、各種の事業を推進する中で、この年に(社)日本産業機械工業会の委託を受けて、「広域漁業構造物における海域管理システムの研究開発」を企業7社と共同で設計し、漁場管理システムを提案した。この設計に基づいて1983年から3か年計画で(財)機械システム振興協会の助成を受けて、「音響給餌型水産資源管理システム」ー所謂海洋牧場の実験を豊後水道に面する佐伯湾の上浦町地先の海面で行った。その結果、放流マダイの再捕は1年目に多く、2年目以降は急減するが全体を通して再捕率は10~12%前後を示した。

言及状況

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>RT 1970年台からある自動音響給餌ロボットに比べてどの程度進歩したのだろうか ◆大分県の海洋牧場における漁業管理 https://t.co/2FKyEAAEe7

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