著者
七山 太 中里 裕臣 大井 信三 中島 礼
雑誌
日本地球惑星科学連合2014年大会
巻号頁・発行日
2014-04-07

平成22-25年度に産総研・地質調査総合センターによって5万分の1地質図幅「茂原」の調査が実施された.このポスター発表においては,その試作版を提示し,各位から幅広く意見を徴収する予定である.茂原図幅の区画は,千葉県房総半島中東部に位置し,北緯35°20’ 11.8”-35°30’11.8”,東経140°14’48.2”-140°29’48.1”(世界測地系)の範囲を占める.本地域の全域が千葉県に属し,茂原市,千葉市,市原市,大網白里市,長生郡長南町,同長柄町,一宮町,長生村,いすみ市の各自治体が所轄している.図幅内の地形は大きく丘陵,台地及び低地に区分される.本図幅の西域を占める上総丘陵は,房総丘陵の北東部にあたる.台地は,図幅の北西端部に下総台地が小規模に分布している.両者の間は太平洋に注ぐ一宮川水系と東京湾に注ぐ村田川水系の分水界となっている.また,図幅の南東部には夷隅川水系が小規模に認められる.上総丘陵を構成する地質は下部-中部更新統の上総層群であり,下位から大田代層,梅ヶ瀬層,国本層,柿の木台層,長南層,笠森層および金剛地層に区分されている.本層群は深海-浅海成の泥岩砂岩互層,砂質泥岩,泥質砂層等の半固結堆積物からなり,下位は深海底,上位は陸棚で堆積したと解釈されている.地層は北東-南西方向の走向を持ち,北西方向に0-5°緩く傾斜し,北西に向かって地層が新しくなっている.一方,下総台地にはMIS5eに形成された上位段丘が分布し,下総層群木下層を段丘構成層として,その上位にHk-KlP群の軽石層より上位のテフラ群を挟む下末吉ローム層をのせる.また,木下層の砂層とローム層の間に常総粘土と呼ばれる粘土層が堆積している場合もある.この台地面は,本図幅内では60m前後から130m前後までの高度で分布し,台地の南端部で高く約130mを示し北に行くに従って高度を下げている.

言及状況

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