著者
大野 希一
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-05-11

「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、以降SDGs)」は、2015年9月の国連サミットで採択された国際目標である(外務省のパンフレットより)。この計画では、「持続可能で強靭、そして誰一人取り残さない、経済、社会、環境の総合的向上が実現された未来への先駆者を目指す」ことをビジョンに、国連に加盟している193の国々が2030年までに達成すべき17の目標が掲げられている。この計画の前身である「ミレニアム開発目標(MDGs)が、主に発展途上国を対象に設定された目標で、国連の専門家が主導で実施されてきたものであったのに対し、SDGsは先進国自身もこの目標達成に向けて積極的に取り組むことや、国全体で取り組むことが推奨されている、という点が特徴である。17の到達目標は、それぞれがさらに実施すべきターゲットに細分化される。全部で169あるターゲットの中には、ジオパーク地域が取り組んでいる活動に関連する項目も少なくない。たとえば目標6の中のターゲット「6.6 2020年までに山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼などの水に関連する生態系の保護・回復を行う」、目標8の中のターゲット「8.9 2030年までに、雇用創出、地元の文化・産品の販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する」、目標13の中のターゲット「13.1 すべての国々において、気候変動に起因する危険や自然災害に対するレジリエンス及び適応力を強化する」などは、まさにジオパーク活動と直接的にリンクする。これら以外にも、ターゲットの中には環境保全や地域社会の維持に関する項目が複数掲げられており、防災対策や気候変動対策、循環型社会の構築や新たな市場の創出を通じて、持続可能な開発目標を達成しようという取り組みも、多かれ少なかれジオパーク活動にリンクする要素を含んでいるといえる。SDGsに関わるこれらの取り組みが、地域で展開されているジオパーク活動とどのようにリンクするかを把握することは、特にユネスコ世界ジオパークに認定された地域については今後重要になってくる可能性がある。今回のポスターでは、島原半島ユネスコ世界ジオパークが行っているジオパーク活動が、SDGsとどのような関わりを有しているかを紹介・議論する予定である。

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