著者
黒澤 駿斗 市川 大翔
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-07-04

地面は様々な物質で構成されている。同等の熱を加えたときに温度の上がり方・下がり方はそれぞれ異なる。温度を測るときには直接地面に刺して計測が難しいため放射温度計を用いて似た条件で複数回計測する必要がある。日差しが強い日になるとアスファルトと土の上では温度は大きく変わる。そのため同じ熱が当たっていても、土壌や地面の成分によって温度の上がり方は大きく異なる。このことから地面を構成している様々な物質にはそれぞれ比熱の違いがあると考えられるため放射温度計(SATO社SK-8940)を使い調査した。調べるための方法としては季節や時間を変えて、放射温度計で地面の温度を計測した。季節は昨年11月から今年4月にかけて、計測した時間帯は午前中の地温上昇がみられる時間帯に、約1日2回時間,30分から2時間ほどの間隔で行った。ここで注意すべき点としては、気温を下げる要因としての風の強さ、日陰の位置変化である。放射温度計は計測面積を十分にとるため地面から1m離して計測した。距離D:測定直径S=10:1の放射温度計を使用したためD=1mの場合、計測面積は78.5cm2と見積ることができる。土壌は、アスファルト、植生あり・なしでの地面の違いで計測した。熱容量の計算方法は受熱量Q(J)/上昇温度T(K)で考え,熱容量の比を比較したところ以下のようになった(比であるのは現在、厳密な測定面積の確定ができていないため)。【熱容量比】1例目 4月7日 草地:砂:レンガ≒0.714 :0.357:0.6672例目 4月9日 草地:砂:レンガ:土:アスファルト≒0.133:0.120:0.106:0.833:0.1123例目 4月11日 草地:砂:レンガ:土:アスファルト≒0.166:1.428:0.175:0.116:0.219データには考慮すべき誤差があるが全体の傾向として熱容量は 1例目 草地>レンガ>砂 2例目 土>草地>砂>アスファルト>レンガ 3例目 砂>レンガ>アスファルト>草地>土となった。ここからいえることとしては、アスファルトとレンガは熱容量の差が小さく外的要因による影響が少ないが、逆に草地、砂、土は熱容量の差が大きいため、風などの外的要因に影響されているのではないかと考えた。植生のある土壌の熱容量、ひいては比熱をもとめるにはさらに安定した条件で測定することが求められるであろう。この安定した測定には何が必要か、議論をしたい。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

土の温度変化から比熱を逆算する. (JpGU 高校生セッション) [O04-P24] 放射温度計による様々な土質の比熱放射温度計による様々な土質の比熱と熱容量 https://t.co/csWRDp1PnJ

収集済み URL リスト