著者
只木 琴音 阿部 明典
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

具象画に比べ,描かれているもののフォルムが明確に存在しないことが多い抽象画は初心者にとって鑑賞が難しいと言われている。作品に対して文脈・物語を与えられる行為はミュージアムの中ではキャプションなどによって多く行われていることだが,ワークシートを用いることで,鑑賞者自身が作品に文脈・物語を与えることを目指す。本研究では,「物語を作って抽象画を鑑賞することによって,具象画的な鑑賞が起こる」を仮説とし,フォルムの崩壊を解消するために,抽象絵画に対して物語を作るワークシートを考案し,効果を検討した。具象画を見て感想を述べる具象条件,抽象画を見て感想を述べる抽象条件,抽象画を見て物語を作り感想を述べる物語条件の3条件を被験者内要因の実験計画を用いて行った。本研究では,各条件の感想の,文字数,回答の収集率,回答の内容をもとに,具象画的な鑑賞が行えるかを判断した。平均文字数においては一部仮説に沿い,回答の収集率についてはどの条件間でも差はみられなかった。回答の内容については,先行研究および仮説を強く支持する結果が得られた。

言及状況

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[3B1-OS-22a-03]抽象絵画鑑賞における物語作成による文脈付与の効果 https://t.co/HsC1x3Gxgr #jsai2018 発表しました。ありがとうございました!

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