著者
榊 剛史 鳥海 不二夫
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

フェイクニュースや炎上,エコチェンバー現象など,近年は個人による情報発信における負の側面が注目されている.我々は,それらの現象を引き起こす原因の一つとして,ソーシャルポルノという仮説を提案する.ソーシャルポルノとは,「特定のコミュニティに属するユーザが、脊髄反射的に拡散・共有してしまいたくなる情報」を意味する.本論文では,ソーシャルポルノの観測を行う前段階として,ユーザ反応時間という尺度を定義し,いくつかのツイートについて,ユーザ反応時間分布の違いを考察した.結果として,特定のコミュニティのユーザが拡散する投稿とランダム抽出した投稿には,ユーザ反応時間の分布に違いが生じる可能性が示唆された.
著者
東中 竜一郎 杉山 弘晃 成松 宏美 磯崎 秀樹 菊井 玄一郎 堂坂 浩二 平 博順 喜多 智也 南 泰浩 風間 健流 大和 淳司
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトの英語における意見要旨把握問題の解法について述べる.具体的には,RACEと呼ばれる大規模な英語問題のデータセットを用いた深層学習の手法により,Word2vecの類似度に基づく手法よりも高精度に意見要旨把握問題が解けることを示す.今回,30%の正解率を44%まで改善することができた.
著者
鈴木 惇
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本研究は、主に Web 上で投稿されている、台本形式小説 (SS: ショートストーリーもしくはサイドストーリーの略とされる) を自動生成することを目的とする。本研究は既存のニューラル対話モデルを各話者の特徴を考慮して拡張する。提案モデルである three-step unified LSTM interlocution producer (TULIP) は発話符号化LSTM, 文脈更新 LSTM 発話復号化 LSTM の三つのLSTMの結合によりなっている。本研究では提案モデルに Web 上 の台本形式小説を学習させ、直接既存の小説を加工することなく一から小説を生成した。本研究では、質的、量的の双方の観点から出力した小説を評価し、提案するLSTMベースの手法が自然な日本語列を生成することを確認した。さらに、既存の定量評価手法の問題点についても指摘した。
著者
野田 陽
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本研究では各入力次元の寄与度に基づいて入力へ重みをかける、補助重み法 (AW) を提案する。AW は特徴抽出するという意味で Lasso に似ているが、医用質量分析機器データのように、少数の判別に寄与する次元に対して大量の寄与の無い次元がある場合に Lasso よりも高速に特徴抽出が可能である。(実証コード:https://bitbucket.org/akira_you/awexperiment)
著者
高橋 恒一
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

長期的な機械知性の行き着く先が、その能力レベルの発展の上限により上限シナリオ、生態系シナリオ、多極シナリオ、シングルトンシナリオの順に分岐してゆく可能性を議論する。また、能力レベルの上限を制約する重要な要因として、高度な自律性を持つ認知アーキテクチャーの実現や自己構造改良能力などのアーキテクチャーレベルの問題のほかに、マルチエージェント状況における相対的優位性確立の難しさ、また計算の熱力学的効率や光速の上限などの物理的制約などがあることを議論する。
著者
永野 雄大 菊田 遥平
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

SRGANは超解像手法の中でも特に人間の見た目に美しい高解像度画像を生成することができる. しかし, このモデルは一定度の解像度の画像を更に超解像をする目的で考案されたもので, 過去に撮影されたノイズを含むような低解像度画像を超解像することは困難である. 過去に撮影された低解像度画像から画像の細部情報を失うことなく自然な高解像度画像を生成できることは, 我々のサービスにとって有用である. そのため, 本稿では対象を料理画像に絞る. 超解像モデルの学習はある画像とその画像を低解像度化したもののペアから情報を復元するように実施されるという構造に注目し, 我々の目的に資する2つのアプローチを提案する. 一つ目は, 低解像度化をする際に人為的にノイズを加えるという手法である. 二つ目は, ドメイン毎にデータを分けてそれぞれでモデルを学習するという手法である. 本稿で使用したのは, {牛肉, 鶏肉, 食パン, パウンドケーキ}の4種類である. これにより, 既存手法と比べ本稿の手法では定量的・定性的に自然な高解像度画像の生成結果が得られた.
著者
寺島 裕貴 古川 茂人
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

聴神経フィルタ特性を理解するための計算モデルとして、自然音の教師なし学習モデルが提案されてきた。本研究では、より自然な音として自然環境下における音の変調を考慮に入れると、教師なし学習よりも音響課題に最適化された深層ニューラルネットワークがより良いモデルであることを示す。
著者
坂田 雄亮 馬場 雪乃 鹿島 久嗣
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

機械学習を行う為には入力となる特徴量が必要であるが、抽象性の高いデータを学習対象とすると機械的な方法では本質的な特徴量を得られない場合がある為、人による特徴抽出を行いたい。人間をアルゴリズムに組み込むには本来であれば多大なコストが必要となるが、クラウドソーシングの発展により安価にかつ大量に人的リソースを得る事が出来る様になったため現実的なコストで人間参加型のアルゴリズムを組む事が出来る。しかし人間の能力には個人差があるため成果物の品質にばらつきが出てしまう。よって頑健化の為に複数のワーカの意見を統合した物を成果とする手法が一般に行われている。本研究では特徴抽出にクラウドソーシングを用いて分類器の生成を行う過程で、分類器の精度向上を目的として複数のワーカの意見を適切に統合する手法を考察する。そのような手法として畳み込みニューラルネットワークを応用してワーカの能力と各ノードの重みを纏めて学習する事でより良く意見統合を行うCrowd Neural Networkを提案する。上記の手法の性能を確認する為に4つの抽象性の高いデータセットを用いて実験を行い、提案手法が既存手法に優る例を示した。
著者
中原 健一 島田 史也 宮崎 邦洋 関根 正之 大澤 昇平 大島 眞 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

株式市場における売買審査業務をより効率的かつ合理的に行うために,定量的に見せ玉を検知する手法を提案する.本手法においては,教師ラベルを使用せずに相場操縦行為中に見られる不自然な取引履歴を発見するため,密度比推定による異常検知手法を用いた.東京証券取引所の上場銘柄の中より無作為に選択され,専門家チームによってラベル付けされた118 件の半日単位の一銘柄取引履歴による検証結果によると,見せ玉が疑われる事例の80%は,モデルが予測した異常度順にソートした事例の上位50%に含まれ,実務で使用されている単純な規則によるスクリーニングの結果と比較して更なる精緻化が達成できていることが示された.
著者
上村 恵子 小里 明男 志賀 孝広 早川 敬一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本研究では国内外における人工知能(AI)技術の倫理、法、社会的課題(ELSI)検討団体が報告したガイドラインや提言について、特徴や相違点を整理し、各国および地域の国民性と関連付けて考察した。日・米・欧の各地域で発行されたガイドラインを対象として、頻出する語句や項目に着目して特徴を整理すると、日本のガイドラインでは研究者倫理や技術面の原則が中心であることに比べ、欧州では人の権利や責任に重点を置き、米国では自律型兵器の長期的なリスクにも積極的に言及しているなど、特徴の違いがみられた。これは、各国の宗教観やルール作りに対する考え方などの国民性や価値観の違いから生じるものと推察される。今後、国際的な議論において協調が求められる中で、このような価値観や考え方の違いをふまえ、より深い相互理解が求められると考える。
著者
大澤 博隆 江間 有沙 西條 玲奈 久保 明教 神崎 宣次 久木田 水生 市瀬 龍太郎 服部 宏充 秋谷 直矩 大谷 卓史
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

オンラインサービスでは、ユーザーのコミュニケーション活動とコンテンツが公開される。 このオンライン情報は、ユーザー生成コンテンツの作成サイクルを加速するのに貢献する。 さらにこれらのサービスは、研究者がオンラインテキストを、社会活動の調査研究とも呼ばれる、人間活動を容易に分析するための公的な資源として利用することを可能にする。 しかし特に創造に関わる分野では、コンテンツが公開されている場合においても、プライバシーに関する論争の的になる問題が存在することを認識する必要がある。 本研究では、オンラインファンフィクション小説における性的表現の抽出とフィルタリングを試みた研究が起こした炎上事件のケースを通し、オンライン研究のための新しいガイドラインを作成しようと試みる。 本研究では法と倫理を含む工学と人文学の両方の分野の研究者が、それぞれの専門分野に応じて倫理的、法的、社会的問題を抽出した。
著者
横井 祥 小林 颯介 福水 健次 乾 健太郎
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

コロケーション獲得や対話応答選択など,言語表現の間の関連の強さのモデル化は自然言語処理における基本的タスクである.デファクトの共起尺度である自己相互情報量(PMI)は疎なデータに適用すると大きな学習時間が必要となる.本講演では,PMIが「相互情報量へのペア(x,y)の貢献度」と捉えられることと対応付け,新しい共起尺度であるPointwise HSIC(PHSIC)を「カーネル法に基づく依存性尺度HSICへのペア(x,y)の貢献度」として提案する.PHSICは句や文などの疎な言語表現に適用でき,しかも行列計算に基づく高速な推定が可能である.実験では,PHSICを対話の応答文選択タスクに適用し,学習速度が既存尺度に比べ約100倍高速で,かつデータ数が少ないときにも予測精度の劣化が少ないことを示す.
著者
迎山 和司
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本研究では,人工知能によって4コマ漫画を分析し,得られた特徴情報からルールを設定して2コマ漫画を生成した.4コマ漫画は4つのコマで構成され,一つのコマは登場人物・背景・セリフ・オノマトペ・漫符の要素で構成される.興味深い点はコマの形は同じなのにコマをバラバラに分解されても読者は元に戻すことができることだ. これは、コマ同士に関連する何かがあることを意味する.そこで,このような接続ルールを見つけ,選択されたパネルを組み合わせて新しい物語を自律的に生成した実験を行った.分析と試行の結果,セリフと登場人物のルールを発見し,2コマまでは破綻のない物語を生成できた.したがって,基礎的ではあるが,あらゆる漫画を抽象化して共通要素から新しい物語を作るという本手法の有効性は示せたと考える.今後は4コマ漫画にのみならずストーリー漫画でも要素を抽出して同様の手法で試したい.
著者
伊藤 拓哉 五十嵐 広太 小方 孝
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

筆者らはコンピュータによる俳句生成を研究している.俳句は基本的に十七音で,断片的な単語から構成されており,コンピュータによる俳句生成は興味深い研究テーマである.これまでいくつかの俳句生成の取り組みを行ってきたが,本論文では,以下の二種類の俳句生成のアプローチを含む,これまでの筆者らの俳句生成の研究に基づき,主に記号処理の手法を用いたトップダウンの生成と,深層学習のようなニューラル処理によるボトムアップの生成を統合したアプローチの可能性を示す.
著者
木村 苑子 浅谷 公威 菅原 俊治
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

人は様々なコミュニティに所属し,それぞれのコミュニティ内の環境に適応しながら意見形成をしているため,コミュニティ間で異なる意見を表明することがある.このような意見の一貫性のなさが発覚すると,二枚舌として批判され炎上し,その圧力により意見の表明をやめ沈黙することがある.SNSなどのコミュニケーションツールの発達により,意見の一貫性のなさが発覚しやすくなった.このため,複数のネットワーク上での意見形成を考えるとき,意見の一貫性のなさへの圧力を感じて意見の表明を躊躇したり沈黙したりするメカニズムを考慮する必要性が生じている.本研究では,多層のコミュニティをマルチプレックスネットワークとしてモデル化し,意見の一貫性のなさの発覚による沈黙が意見形成に与える影響を調べた.そのために,Bounded Confidence Modelに基づいた意見形成方法を用いた先行研究のモデルを,異なる意見形成方法やネットワーク構造を取り入れることでより現実に即したモデルに拡張した.シミュレーションの結果,意見形成方法の違いやネットワーク構造の違いが,意見形成の結果に影響を及ぼす可能性があることがわかった.
著者
園田 亜斗夢 鳥海 不二夫 中島 寛人 郷治 雅
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

情報が電子媒体で発信されるようになり,情報の即時性や情報量の増加が進んでいる.そのため,読者が情報を選択する際の労力は増加しており,そのような負担を減らす推薦サービスの導入も進んでいる.一方で,過度な推薦により,ユーザに偏った情報のみを提供するフィルターバブルが発生しているとの指摘もある.本研究では,推薦に先立つ記事の分類により,推薦システム導入前の行動変容を分析し,閲覧回数等が行動変容に与える影響を分析した.
著者
水田 孝信
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

近年,投資ファンドがある業界のすべての企業の大株主となる``水平株式保有''(horizontal shareholding)(または``共同保有''(common ownership)ともよばれる)が,公正な企業間の競争を阻害し,産業の発展を妨げているという主張が増えてきた.特にパッシブファンドによる水平株式保有が大きな割合となっており,大きな議論となっている.本研究では,人工市場モデルを用いてパッシブファンドの増加が企業間競争と市場価格へ与える影響を分析した.その結果,パッシブファンドの割合がさほど大きくなくても,競争を阻害する可能性を示した.また,競争に勝った企業の市場価格が増加したファンダメンタル価格以上に上昇して割高となり競争を促す株主が離れて競争力を弱くする一方,競争に負けた企業の市場価格が減少したファンダメンタル価格よりさらに下落して割安となり競争を促す株主が増え競争力を強くして,企業間競争のバランスをとるメカニズムが存在する可能性があることを示した.パッシブファンドの増加はこのようなメカニズムを弱める恐れがあると考えられる.
著者
神嶌 敏弘 赤穂 昭太郎 麻生 英樹 佐久間 淳
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

公平配慮型分類とは,性別などの公平性の観点から影響してはならい情報が採用の可否などの判定に関与しないようにするクラス分類問題である.今までにロジスティック回帰について正則化項を加える方法を提案していた.ここでは,確定的な決定則の影響を明示的に考慮することで予測精度と公平性のより良いトレードオフを実現できることを示す.
著者
浅谷 公威 川畑 泰子 鳥海 不二夫 坂田 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

オンラインソーシャルネットワーク(OSN)上の友人関係やその中での会話のネットワーク構造は,同類選好と優先的選択によりその多くの部分が説明される.しかし,これらのメカニズムには特定の属性を持つ人間への別の属性を持つ人間からの一方的な選好は想定されていない.OSNには地理的制約がなく検索性も高いため,一方的な選好によるコミュニケーションが起こりやすいと考えられる.我々はTwitterにおける家出に関するツィートとそれに対するリアクションを抽出し,ユーザー間のネットワークを分析することで,OSN上に数千人単位の一方的な選好によるコミュニケーションが存在すること確認した。そこでは,お互いに関係が疎な2つのグループ間(誘い出す側と,家出を表明する側)で一方向のコミュニケーションが存在する.さらに、前者のグループのユーザーの2割程が後者への一対多のコミュニケーションをとっており,明確な一方的な選好が存在することが想定される.また,そのような一対多のコミュニケーションをとるユーザーからのツィートは誘い出しの意図が想定される割合が非常に高いことが分かった.