- 著者
-
デイリシャト ヤ
アイルトン ツ
イバデト レ
アイカン サ
マリヤ サ
関根 道和
鏡森 定信
- 出版者
- 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
- 雑誌
- 日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
- 巻号頁・発行日
- vol.65, no.2, pp.107-113, 2002 (Released:2010-04-30)
- 参考文献数
- 12
砂療は, 中国のトルファンにおける自然条件を利用した, ウイグル医学の病気の治療方法の一つである。本研究では心拍, 血圧, 体温及び体重の砂療の効果について, 様々な患者や慢性関節リウマチ患者の症例について検討した。砂の温度が50-60℃の砂療により, 心拍, 収縮期血圧, 体温はいずれも統計的に有意に上昇した (それぞれ16.3±7.5/分, 4.1±16.6mmHg, 1.0±0.2℃)。大部分の患者では砂療終了10分後には心拍, 血圧, 体温は砂療前の状能に回した。しかし一部分の患者さんでは回復はみられなかった。したがって, 高血圧患者は砂療時に特に注意が必要である。なお, 砂療一時間後には, 体重は有意に減少した (1.5±3.8kg)。30例の慢性関節リウマチ患者では, 15日間の砂療後で, 21例 (70.0%) は関節の痛みが軽減した。しかし5例 (16.7%) では変化がなく, 4例 (13.3) は途中で関節の痛みで砂療を中止した。以上の結果から, 砂療は慢性関節リウマチ患者に効果のある可能性を示した。