- 著者
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アグロ・カネショウ株式会社開発部
- 出版者
- 日本農薬学会
- 雑誌
- 日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.2, pp.S159-S164, 1992-05-20
ジフルベンズロン原体およびその水和剤の急性毒性はきわめて弱く, 眼粘膜に対して弱い刺激性が認められているが, 皮膚刺激性および皮膚感作性は認められていない.亜急性毒性および慢性毒性では, 本化合物投与によって, 病理組織学的変化を伴う貧血および肝臓, 脾臓等の臓器重量の増加が認められたが, いずれも軽微な変化であり, 低用量群ではこれらの変化が認められなかった.ラットの繁殖に及ぼす影響もみられず, ラットおよびマウスにおける発癌性, ラットおよびウサギにおける催奇形性, 多岐にわたって実施した変異原性も陰性であった.ジフルベンズロンを有効成分とする兼商デミリン水和剤は1987年に農薬登録され, 従来の神経系に作用する殺虫剤とは作用機構の異なる優れた昆虫生育制御剤であり, 安全性が高く, 有用な農業資材の一つとして広く実用に供せられている.