著者
アミット リトー ソン ヨンウン
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医大誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.19-32, 2018
被引用文献数
3

体表面積 (BSA) は,人体曝露研究の実施および小児科の臨床において重要なパラメータである.この論文の目的は,7つのBSA算出式を比較し,これらの算出式のどれが韓国の子供に適応性があるかを調べることであった.体表面積は,国民健康栄養調査 (2012-2014) の1歳から18歳までの韓国の子供 (n=4899) の身長と体重のデータを用いて,年齢,年齢群,BMI群別に算出した.このために,Banerjee and Bhattacharya (1961),Fujimoto and Watanabe (1969),US EPA (1985),Gehan and George (1970),Boyd (1935),Haycock (1978) およびMosteller (1987) の算出式が用いられた.7つの算出式の算出値の平均値を計算し,比較のためのノルム値として使用した.すべての推定は,全体の平均BSA値と強い正の相関を示した.Gehan and George (1970),US EPA (1985),Boyd (1935) 式の計算では,過大評価が観察された.Banerjee and Bhattacharya (1961年) とFujimoto and Watanabe (1969年) の値は過小評価を示し,すべての年齢層で0.027 m<sup>2</sup>の最大誤差を示した.Mosteller (1987) およびHaycock (1978) のBSA推定値は,全体平均BSA値に近いことが判明した (最小誤差0.004 m<sup>2</sup>).人体曝露研究の実施および韓国の小児科の臨床においてはMosteller (1987) の算出式を使用することが推奨される.1歳から2歳の子供にはHaycock式も適している.