- 著者
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イコノミデス キャサリン
- 出版者
- 東京大学
- 雑誌
- 特別研究員奨励費
- 巻号頁・発行日
- 2010
非可換幾何学は1970年代からフランスのConnes氏に開発された分野です。その分野の色々な道具を使って、葉層構造の研究をしています。2010-2011年度の研究は以下の通りです。1-"ホロノミーをほとんど持たない"葉層構造を研究していて(葉層のコンパクトでない葉は、すべてホロノミーを持たないということ)、その葉層構造のC*環のK理論を計算しています。特に幾何学や接触構造の研究でよく出てくる"spinnable foliation"(open book decompositionから生まれる葉層構造のこと)という葉層構造の具体例の場合は、幾何学的な意味を持つ結果を得ました。K群の次元が、コンパクトな葉の数と一致しているという結果です。2-ConnesとMoscoviciの指数定理を研究しています。その指数定理とConnesの巡回コホモロジーを使って、Novikov予想を解ける方法について考えています。その方法は1990年代から研究されているので色々な群が考えられてきています。私の場合は、円の区分線形同相群の部分群であるThompson群の具体例を考えています。Thompson群のコホモロジーは、知られていますので、群のコホモロジー類を巡回コサイクルとして表して、指数定理を書いてみました。それを使って、Thompsonの群はNovikov予想を満たすことを示しました。