著者
井上 孝夫 イノウエ タカオ Inoue Takao
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.209-216, 2007-02

大学の原則は「自学自修」である。しかしこの原則は形骸化が著しい。特に100名単位の学生が受講する講義科目において,少なからぬ学生からは「楽して単位を修得する」ことが当然視され,講義はあたかも単位取得ゲームの競技場と化している。このような現状のもとで,わたしの行なった2006年度前期の「社会学概論」の講義では,受講学生に対して,「ノートの取り方」と「授業の流れ,およびテキストへの注意」に関する2つの「指導」を行ない,「自学自修」の原則を実質化していくためのささやかな第一歩とした。それによって,一定の成果をあげることができたと判断している。本稿は,その概要と分析である。