著者
岩城 克洋 イワキ カツヒロ IWAKI Katsuhiro
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.20, pp.85-98, 2010-03

いまだ研究対象として取り扱われるようになってから日が浅いCeramica comune da fuoco は、その膨大な出土量にも関わらず、報告書に記載される情報はごくわずかであり、かつまた形状変化にも乏しいことから、胎土分析による産地同定という手法が主流を占め、編年研究にはあまり関心がはらわれてこなかった。特にイタリア半島中北部は、エトルリア研究が盛んな土地柄もあって、他地域に比べて一段と研究が立ち遅れている。本論では、比較的研究が進展し情報量も多い、中南部ヴェスヴィオ山周辺地域の資料と中北部の内陸テヴェレ川沿岸地域の資料を活用し、そこに独自資料として、筆者本人が分析した、タルクィニア市所在別荘遺跡出土の膨大な土器資料を新たに加え、特に情報不足の著しい4世紀から6世紀頃を重点的に、新たな地域編年を構築するものである。