著者
ウ 小軍 圓藤 康平 和田 俊和 松山 隆司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.633, pp.9-16, 2001-02-15
被引用文献数
4

3次元ビデオとは、実世界のダイナミックな視覚的イベントをすべて撮影、記録する究極の映像メディアのことである。すなわち、視覚情報として、時系列に変化する対象の立体的な形と表面属性(色とテクスチャ)を獲得し、記録するメディアである。本論文では、まず実時間3次元形状復元手法として、視体積交差法に基づいた新しい並列アルゴリズムを提案する。この手法では、平面間透視投影を用いて、多視点同時撮影された映像から対象の立体的な形を復元する。われわれはこの手法を超高速ネットワーク(1.28Gbps)に接続された10台のPCからなるPCクラスタシステム上に実装した。このシステムは2cm×2cm×2cmの空間解像度において、約秒10フレームのスピードで身体動作の3次元形状復元に成功している。次に、パン・チルト・ズームカメラを制御し、対象を追跡しながら3次元形状復元を行う機能をシステムに追加した。カメラ制御の遅延によってシステムのスループットは秒1フレームに落ちたが、対象を追跡することで、空間解像度を落とすことなく、広い範囲を動く対象の3次元形状を復元できるようになった。最後に、われわれが開発した対話的編集・表示プログラムのデモを通して、3次元ビデオの魅力を示す。