著者
エルマコーワ リュドミーラ M.
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.71-90, 2003-03-31

本稿の目的は、ある偶然をきっかけにして発見されることになった一つの歴史的資料、すなわち一五八二年に長崎から出帆しヴァチカンを訪ねローマ教皇の謁見を賜った遣欧一行の一人による自筆の書、について紹介することである。これは赤い紙に一六世紀のスタイルで書かれた書であり、そこには旧約聖書の詩篇からとられた二つのダビデの聖歌の一部がラテン語と日本語両方で記されている。