著者
オチャンテ 村井 ロサ メルセデス オチャンテ カルロス
出版者
奈良学園大学
雑誌
奈良学園大学紀要 = Bulletin of Naragakuen University (ISSN:2188918X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.167-177, 2017-09-29

本論文では日本のカトリック教会にニューカマーがやってきてからどのように変化したのかを論じる。ニューカマーの増加が教会での信者数へ影響し始めたのは90年代である。その後、外国人集住都市と呼ばれる地域の教会では主にブラジル人、ペルー人、フィリピン人などのカトリックコミュニティ(共同体)が誕生し、数十年の歴史を持っているものも多い。ニューカマーの増加によって多民族化した教会ではミサなどの行事が多言語で行われるなど様々な対応と支援が行われている。本論文で対象にした伊賀市カトリック教会はこれまで多文化共生を課題に発展したケースであり、成功例でもある。
著者
熊田 岐子 岡村 季光 オチャンテ カルロス
出版者
奈良学園大学
雑誌
奈良学園大学紀要 = Bulletin of Naragakuen University
巻号頁・発行日
vol.10, pp.55-61, 2019-03-10

本稿では、熊田・岡村(2018)で着目した「基本的自尊感情を育む共有体験」(近藤、2010)を応用し、英語スピーキングの共有体験に関する調査を行った。「自尊感情を育む共有体験」として、英語スピーキングを場面と定め、他者とのコミュニケーションにおける英語スピーキング不安を検証した。具体的には、ペアワーク、グループワーク、クラス発表を場面として設定した。考案した項目を因子分析した結果、ペアワーク、グループワークにおいては「肯定承認」、「安心」、「忌避」、クラス発表においては「肯定承認」、「不得意」の構造を見いだした。さらに、英語スピーキング不安、対人不安傾向、自尊感情、自己受容、他者受容との関連を検討し、他者からのフィードバックが得られるグループワークが有効である可能性が示唆された。今後の展望として、他者からのフィードバックとして、信頼する人、すなわち教師がすべきフィードバックについて検討することが課題として残された。