著者
ギアリー ブレント・B 津川 秀夫 妹尾 靖晃 菊池 安希子
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.73-88, 2009-12-31

見立ては,情報収集の機能を担い,心理療法の進む方向に影響を及ぼす。エリクソニアンのいう利用の土台は,見立てによって得られた情報から形づくられる。利用は,方法,技法,手立てを選択するさいの指針になる。見立ては絶えずおこなわれ,治療のどの段階でも毎回のセッションにおいても実施される。本稿では,見立てに関する事項について概観する。これらの事項には,患者が治療にもちこむ固有の特徴だけでなく,治療への準備性や期待という一般的な事柄も含まれている。見立てのこれらの特性は,臨床催眠とともに催眠を用いないブリーフセラピーにも有用である。