著者
小澤 幸世 竹田 和良 萩谷 久美子 芳賀 大輔 古村 健 菊池 安希子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.84, pp.SS-012-SS-012, 2020

<p>認知矯正療法(NEAR)は,統合失調症における認知機能(記憶,注意,遂行機能など)の改善を目的とした認知リハビリテーションである。認知機能を使う各種の市販のゲームを行うゲームセッションと,メンバーで体験を共有するグループセッションで構成されている。NEARは,ゲームの実施に関して注目されること多いが,ゲームを通じて患者の内発的動機付けを高めることが重要な治療指針となっている。そこで本シンポジウムでは,NEARを中心とした認知機能リハビリテーションにおいて,内発的動機付けに着目して介入することの重要性を研究や実践の側面から議論したい。研究の側面からは内発的動機付けの脳機能メカニズムや成果との関連など,実践の側面からは介入上の工夫や他の治療を取り入れていく意義などについて考える。</p>
著者
ギアリー ブレント・B 津川 秀夫 妹尾 靖晃 菊池 安希子
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.73-88, 2009-12-31

見立ては,情報収集の機能を担い,心理療法の進む方向に影響を及ぼす。エリクソニアンのいう利用の土台は,見立てによって得られた情報から形づくられる。利用は,方法,技法,手立てを選択するさいの指針になる。見立ては絶えずおこなわれ,治療のどの段階でも毎回のセッションにおいても実施される。本稿では,見立てに関する事項について概観する。これらの事項には,患者が治療にもちこむ固有の特徴だけでなく,治療への準備性や期待という一般的な事柄も含まれている。見立てのこれらの特性は,臨床催眠とともに催眠を用いないブリーフセラピーにも有用である。