著者
藤澤 隆史 クック ノーマン D.
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.35-51, 2006-07-12

和音(harmony)は,メロディ(melody),リズム(rhythm)とともに音楽を形作る重要な要素である.音楽の物理的な音響的特徴とその心理的な印象や感性との関連性について定量的に評価するために,和音性についての評価モデルを構築した.和音性は,(1)協和度(心地よい-わるい,澄んだ-濁った),(2)緊張度(緊張した-落ちついた),さらに長調か短調かといった性質を決定する,(3)モダリティ(明るい-暗い,うれしい-悲しい)から構成される.本資料では,Cook & Fujisawa (2006)において議論されている和音性知覚モデルの詳細について補足的な説明を行う.具体的には,それぞれの和音性曲線(不協和度,緊張度,モダリティ)を得るための心理数理モデルの詳細と,実際に曲線を描くための計算プログラム(C言語・MATLAB)について解説する.