著者
アルメイダ-サントス S.M. サロマノ M.G.
出版者
The Herpetological Society of Japan
雑誌
爬虫両棲類学雑誌 (ISSN:02853191)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.46-52, 1997

ガラガラヘビ<i>Crotalus durissus terrificus</i>の子宮にみられる回旋と筋肉収縮を,冬を越えて精子を貯蔵する(長期精子貯蔵)ための戦略として報告した.交尾期(秋季),濾胞の大きさ(5-30mm),排卵の時期(春季),妊娠期間(4-5ヵ月)など,雌の繁殖周期について述べた.雌の子宮には,交尾後すぐに形態学的,生理学的変化が観察された.この状態は1季節(冬季)続くだけで,排卵後に子宮に弛緩し,精子が卵管をさかのぼる.生殖管の解剖形態を記述し,温帯産の近縁種プレーリーガラガラヘビとの関連で,語句の用法について論議した.交尾期にはまだ受精の準備ができていない卵黄形成後の濾胞を,無駄にしないような生理学的過程の重要性を仮定すると,この種では繁殖に関する出来事が時間的に同調しないため,長期精子貯蔵をせざるを得ないと考えられる.