著者
シュエ ジュウシュエン 池田 心
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2023論文集
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.131-138, 2023-11-10

囲碁の問題集はプレイヤが上達するための勉強によく使われている.市販の問題集はたくさん存在するが,問題数が限られているし,個人ごとの弱点や好みに合わせて提供することも殆ど不可能である.そこで本研究はプレイヤの要望に応じた囲碁問題の自動生成を目指す.まずは囲碁問題の自動生成に向ける第一歩として,本稿では問題の局面と正解手が与えられると仮定するうえで,不正解手の自動生成を行う.本稿での調査対象を布石問題とする.具体的には市販の布石問題集を,ヒューリスティック特徴量と強い囲碁プログラムによる特徴量で分析し,不正解手が選ばれる条件を明らかにする.また,調査の結果に基づき,ルールベースの方法で不正解手の自動生成も行う.
著者
小西 健太郎 シュエ ジュウシュエン 池田 心
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会 第49回GI研究発表会, 2023-3
巻号頁・発行日
2023-03-17

不完全情報ゲームにおいて,人間プレイヤがナッシュ均衡戦略を計算することは現実的に難しいため,予測される相手の情報や行動に対してアドバンテージを得られる行動を選択する「読み」を用いて意思決定を行う場合がある.人間プレイヤ同士が読みの思考に基づいて意思決定を行う場合や,相手が読んでくることを考慮して意思決定を行う「読み合い」は,一部のゲームでは主流な意思決定方法の1つであり,この特有の駆け引きはゲームを楽しむ上で重要な要素の1つといえる.本研究では,ポケモンバトルを簡略化したゲーム上で,人間のような読み合いを演出するAIプレイヤを提案した.読み合い演出の前提として,人間が自然に感じやすい着手戦略である,δ-ナッシュ均衡戦略というノイズを加えた利得行列を用いる手法の有効性を示した.また,δ-ナッシュ均衡戦略に人間プレイヤのような癖や傾向をバイアスとして付与し,多様な着手戦略が得られることを確認した.さらに,人間の読みを模倣した着手として,相手モデリングによって次の行動を予測し,搾取戦略を生成する手法についてアプローチを示した.