著者
シュピンドラー ジェラルト 若林 三奈
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷法学 (ISSN:02864258)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.97-118, 2006-06

本稿では、IT法領域における責任法(Haftungs- und Verantwortlichkeitsrecht)の展開をとりあげる。その際、2つのテーマを特徴的なものとしてとりあげる。1つは、不完全なソフトウエアに関する責任である。もう1つは、インターネットプロバイダ(Dinste im Internet)に関する責任である。後者は、とりわけ他人のコンテンツの仲介や、それについての準備(Bereithalten)に対する責任である。全体としていえば、法律上はいろいろと新しくなっているものの、依然として、旧来の基本的な問題が、重要な意味をもっているといえる。これらの新しくて古い問題を、PtoP (Peer-to-Peer-Filesharing)、ハイパーリンク、検索エンジン、そして妨害者責任(Storerhaftung)を手がかりに、その概略を展望する。